詩なんか全く興味がない私でも、長田弘さんの詩だけは
本当に素晴らしいと思える。
「トルコ・コーヒーの沸かしかた」
コーヒーは強く炒って
できるだけ細かくくだいて
一人ぶん、分量ぶんの水を沸かして
砂糖をくわえてさらに沸かして
コーヒーをくわえてもう一ど沸かして
そうしてぶくぶく泡だってきたら
最初の泡をまずカップに注いで
コーヒーをふたたび火にかけて
泡だてて泡をまたカップに注いで
泡がカップに一杯になるまで
繰りかえし繰りかえし
それから、火をとめて
古い木の椅子にゆっくりとすわる
「死ぬまえにコーヒーをくれ」
銃殺された砂漠の革命家の言った言葉を
おもいだす。
「コーヒーを沸かす間も
待てないだろう、急ぐひと
絶望するひとは、
ぼくは絶望しないし、急がない」
一杯のコーヒーの熱いかおりが好きだし
濃いトルコ・コーヒーの。
長田 弘
長田さんの”食卓一期一会”の詩集から
イメージして描いた画です。
イメージして描いた画です。
This painting was inspired by "How to boil Turkish coffee"
from Hiroshi Osada's poetry collection
"A Once in a Lifetime Dining Table."
"A Once in a Lifetime Dining Table."
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