2013年4月27日土曜日

中国絵画 -1

私はもともと運動が大嫌い。
小学校では、どれほど肩身が狭かったことか。。

お家にいるのが大好きなのですが、これではいけない!と思い先週からアートスクールに通い始めました。

THE  ART OF CHINESE BRUSH PAINTING

そう、中国絵画です。
勢い勇んで、行ったまではいいのですが、先生曰く中国絵画は『筆使い』が命!
ということで、なんと初回は書道!
何年ぶりでしょう。。。(@_@)))

もちろんケベック人には初めての書道の方も多く、悪戦苦闘していました。。
私は絵を習いたいのに、なんで〜〜。。
最後には疲れて、こんな文字を書いてしまいました。

でもさすがに先生は上手!
中国人てみんなこんな上手なの?


中国絵画のお話は次回にします。


2013年4月23日火曜日

芍薬と牡丹

日本では昔から芍薬や牡丹になじみが深く、様々な形を描かれてきました。

牡丹が日本に入って来たのは、奈良時代。
薬用として入って来たのが始まりで、以来寺院などを中心に庭園木として好まれたようです。

しかし、その牡丹の地位を薬用から、鑑賞用植物の地位にまで引き上げたのは、江戸の園芸ブーム。
特に寛永年間(16244〜44)の寒牡丹(ふゆぼたん)の出現!
二季咲きの性質を持つボタンで、初夏6月、そして冬期にも花を咲かせます。
つぼみや葉の摘み取り時期など、大変難しい栽培だそうです。

冬にボタンを咲かせる方法は清国から伝わったと言われていますが、中国の冬は半端なく寒い!さすがに外では無理なので室内で栽培されていました。
しかし、戸外で、それも雪の中でボタンを鑑賞しようとする風流なスタイルは、日本独自の文化と言っていいでしょう。
芍薬花譜/江戸時代

ちなみに、芍薬と牡丹は同じボタン科ですが、違うものです。

まず芍薬は、すっと枝分かれなどなく立っています。
牡丹は枝分かれするので横張りの樹形になります。
ここから『立てば芍薬、座れば牡丹』といわれるようになったのでしょう。

また、芍薬は茎(草)で、牡丹は幹(木)です。
葉っぱも、芍薬がすっとした細長い形に対し、牡丹はやや丸みをおびています。

私的には切花にしても、へこたれない芍薬の強さと、そのしなやかな葉が好きです。
 芍薬

牡丹

2013年4月21日日曜日


土佐光起という土佐派を代表する画家について、ブログに描いた。
日本の絵画の歴史に関心をよせ、日本画(土佐派)の技法書『本朝画法大全』を作った。

その中に、
「白紙も模様のうちなれば、心にてふさぐべし」という言葉がある。
これは「白紙をさえ、描写以上の描写とする日本独特の技法」を表現したもので、
ヨーロッパの絵画はルネサンスから印象派まで、びっしり画面を埋めるの対して、日本の肖像画や大和絵の歴史は、しだい余白をもつようになっていった。

なぜ余白なのか。
油絵など西洋の絵画においては、余白をなくして、書き込むことが大切にされるのに対し、日本画では、わざと何も描かず、その余白に象徴性を持たせる。

東洋の絵画においては、(余白の美)というものが、特に大切にされてきた。

こういった日本的な省略が発生して、さらに「引き算の美」というものが生まれた。
なぜ省略や引き算が発生したかというと、一つには、中世の日本には「無常」の観念がはびこっていたこと、もうひとつは、そもそも日本にはウツツ()とウツ(現実)を出入りする
ウツロイに対する感覚があって、そのウツロイのプロセスはどのようにも縮ませたり、
引き伸ばしたりできたということがあるらしい。

なぜそんな伸び縮みができるようになったかというと、三十一文字ですべてを表現する和歌による訓練がゆきとどいていたからだという。

と、やや話は横にずれてしまったが、とにかく日本人の感覚は世界的に見てもかなり特殊なのだろう。
これってスゴいことなのだ!

酒井抱一の風神雷神屏風図






2013年4月20日土曜日

バラのRug Fooking

今度はバラのイメージでラグフッキング!
鍋敷きにしようと思ったけど、出来上がったら可愛く思えて来て、使うのがもったいなくなっちゃいました。

でも母の日に、義母にあげようかなぁ〜
次は夏らしい作品を作ります。


2013年4月16日火曜日

寒緋桜

先日こんな画像を見つけました。
植物はなんなんだろう?と、調べたらその名前は寒緋桜、または緋寒桜、とい言うそうです。



カンヒザクラ寒緋桜、学名: Cerasus cerasoides )
バラ科サクラ属の植物サクラの原種の一つ。
旧暦の正月あたりに咲くことからガンジツザクラ(元日桜)と呼ばれることもある。
ヒカンザクラ(緋寒桜)と呼ばれることもあるが、ヒガンザクラ(彼岸桜)と混合されやすいため、近年はカンヒザクラと呼ばれることが多い。別名、タイワンザクラ(台湾桜)、ヒザクラ(緋桜)とも言う。

日本画で描いてみたいけど、写真が素敵すぎて絵にするのはむずかしいかな。。



2013年4月13日土曜日

水干黄土

水干絵具(黄土)
水干絵具(すいひえのぐ)は、天然の土、または胡粉や白土に染料を染め付けた微粒子の日本画絵具です。
天然の水干絵具は土が原料です。中でも黄土(おうど)は、粒子の重さによって水中での沈殿速度に差があることを利用した「水簸(すいひ)」という作業で、濃口黄土、淡口黄土、さらにもっとも微粒子の上汁黄土と、異なる色調の絵具がつくられます。また黄土が酸化して赤味が強いものが朱土(しゅど)です。(武蔵野美術大学・造形ファイルより)

日本画を描かない方には、「え〜〜〜土で描くの??」と、びっくりするでしょう。
黄土と言っても様々な種類があって、本当に黄土だけでコレクション出来ちゃうんです!
そのやわらかな色合いは私も大好きで良く使います。
が、私の作品の場合、その最初に塗る黄土で作品のイメージも変わるため、慎重に選ばないと。墨と黄土だけでいつか立派な作品描きたいな〜〜。

私の黄土コレクション♡

2013年4月12日金曜日

絵のマニュアルについて考える


土佐光起

江戸時代の土佐派の絵師さんです。
宮廷の絵所を復活し、絵所預りとして活躍した土佐派を代表する大和絵の絵師としてだけでなく、ライバルの狩野派や宋元画を学び、それまで土佐派が描かなかった風俗画や草木図などの題材を取り上げ、清新な画風を作り出したひとです。
温雅な大和絵に克明な写生描法を取り入れ、江戸時代の土佐派様式を確立した、すんごい人です。

土佐光起/「源氏物語画帖」より『若紫』

1690年(元禄3年)(死去する前年)に、「本朝画法大伝」という技法書を書きました。内容は、画の六法・三品・十二忌などの説明や、様々な技法、筆や顔料の事など実践的な記述がされていて、土佐派の画法を体系化して書き残しています。

それまで口伝であった、門外不出とされる土佐家伝来の秘伝を、誤って伝えられるのを恐れてマニュアルとして残そうとしたのです。
(ちなみに狩野派のマニュアルは『画道要訣』)

現代の日本画家がこの書物を読んでも、描き方や材料に関してはほとんど今と変わらないのだそうです。

しかし、絵画において流派というものがなくなった今では、絵を描く者達はそれぞれオリジナルの技法を模索していかなければなりません。
自分だけのマニュアル。。いつか出来るようになるんでしょうか。。
ため息です。
土佐光起/菊の百花画より

2013年4月9日火曜日

日本人ってスゴイのだ!

Tumblerでおもしろい画像を見つけました。
ほぼ同じ年代に描かれた絵。
日本人の飛び抜けた感覚に驚かされます。
写楽以外は同じ人が描いたといっても、信じる人はいるでしょう。
個性がないのです!だいたい天使やら、キリストばかりの重ったらしい絵画は、まったくもってつまらない!ましてや信者でもない私には更につまらない!
西洋絵画の中で、いちいち宗教を勉強しないと絵画の意味がわからないというのも、ずっと不満でした。

この当時の絵師達は西洋の遠近法、陰影法に憧れたと言いますが(実際に北斎などは西洋絵画を参考に描いています)私はこの日本人の感覚のほうが素晴らしいと思います。

下記の浮世絵は写楽の役者絵。
これには当時の人たちもこの絵には度肝を抜かれたようで、最初は写楽もあまり人気がなかったと言われています。しかしデフォルメを駆使し、顔の特徴を誇張してその役者が持つ個性を大胆かつ巧みに描き、また表情やポーズもダイナミックに描いたそれまでになかったユニークな作品を描きました。
写楽の個性的な作品群は強烈な印象を残さずにはいられません。
また、写楽が誰なのか未だに謎だらけなのも魅力です。


2013年4月7日日曜日

メディウムのお話

今回はすっごく真面目な話です。
興味が無い方は眠くなってしまうかも。。。(^_^;;)

日本に帰国した際、絵の具屋三吉(ウエマツ画材)店の社長さんのメディウム講座を受講しました(すっごくおもしろい方でした!)
けっこう長い間、絵を描く仕事に携わっているのに、私は基本的な事を良く知らなかったのです。
絵の具とは、何なのかを勉強する良い機会でした。

メディウム(固着材)というのは、絵画の中では顔料などの物質を固着させるものです。
今は絵の具と言えば、チューブに入ってるか、固形になっているかですが、もとは色の粉(顔料など)なのです。
それを紙や、キャンバスなどに着ける役目をするのがメディウム。
これがないと紙やキャンバスに描いた色(絵)は落ちてしまうのです。
メディウムの種類によって、絵の具の呼び方も変わります。

・油+顔料 油絵の具
・アクリル樹脂+顔料 アクリル絵の具
・アカシア樹脂+顔料 水彩絵の具

などが代表的なものでしょう。しかし、日本画はこの顔料等を自分でメディウムと混ぜて
描いていくのです。それが膠(にかわ)です。
膠は動物の皮や骨のコラーゲンを用いたゼラチン固着材です。



膠も様々な種類があります。
ここカナダ(モントリオール)ではウサギ膠しか手に入りません。
ウサギ膠は色が薄く、膜が柔軟性に富んでいるので、テンペラ画等の石膏地、白亜地のバインダーとして使われることが多いそうです

今までは日本の膠や、アートレジン(樹脂性の固着材)などを使ってきましたが、今度はカナダのも試してみようと思います。

2013年4月6日土曜日

ラグフッキング

Rug Fooking
モントリオールの友人のブログで初めて知ったラグフッキング。
先生のいる場所を教えてもらって、始めました。

ラグフッキングは(3~9mm)の布ひも(通常はウ−ル)を、フック棒を使って布に引っ掛けていきます。太い幅の刺繍みたいなものでしょうか?
始まりはイギリスらしいですが、北米で広まったクラフトです。



思ったより時間がかかる作業で、小さなものでも何日もかかります。
今まで、2つ完成。まだ1つ途中。。。

小さめサイズは鍋敷きにいいので、プレゼントにいいんです。
↓初めて作ったラグ。キノコは母にプレゼントしました。







2013年4月2日火曜日

箔を焼く?

”箔を焼く”???
日本画を始めるまで、何のことだか全くわかりませんでした。それは。。

銀箔を硫黄と熱によって化学反応を起こし、変色させることなんです。

銀箔は化学反応を起こしやすく、貼ってそのまま置いておくだけで(気候など条件にもよりますが)空気中の酸素と反応して徐々に変色してきてしまいます。
なので、その特性を使ってわざと絵画の中に生かすんですね。
アートは化学なのだ!

下記がその効果を使って焼いたものです。
これから着彩していきます。
1) 硫黄の粉を薄い和紙のような紙に、薄くのばす。
2) 銀箔を貼った画面の上に(1)を置き、アイロンをかける(中温)。